『日本古典文学総復習』43
『保元物語』他二編を読む 中世に入って軍記物語というジャンルの一連の作品がある。『平家物語』はいわばその頂点の作品だが、それに先行する幾つかの作品がある。ここで取り上げる三つの作品がそうだ。これらの作品は鎌倉時代が成立し...
『保元物語』他二編を読む 中世に入って軍記物語というジャンルの一連の作品がある。『平家物語』はいわばその頂点の作品だが、それに先行する幾つかの作品がある。ここで取り上げる三つの作品がそうだ。これらの作品は鎌倉時代が成立し...
『宇治拾遺物語』を読む これもまた説話集である。この説話集は『今昔物語集』と共に人口に膾炙したものだ。近代作家の芥川龍之介がこの説話集の幾つかの話から作品を書いたことも一般に知られた要因だ。例えば、一八の「利仁、暑預粥事...
『古事談』を読む 今回はこの新日本古典文学体系で最後の配本となった『古事談』を取り上げる。これもまた説話集という事になるだろうか。それにしても大部なものである。もっとも続編も収められてはいるが、九百ページを超えるこの書は...
再び説話集。 平安時代が終わりにさしかからると時代は混乱の時代に突入する。この混乱はそれまでの貴族文化の担い手たちに大きな変化を余儀なくさせる事となる。すでにこれは『今昔物語集』に見てきた。また和歌の世界にも大きな変化を...
『方丈記』『徒然草』を読む この二つのいわゆる随筆は日本古典文学の中で最も親しまれている作品だ。この新日本古典文学体系でも初回の配本になっている。高等学校の古典教材でこの作品を取らない教科書はない。従って多くの人々はこの...
『六百番歌合』を読む 再びここで和歌文学に戻る。和歌はすでに新古今まで読んできた。新古今はすでに中世に入ってからの勅撰集だから和歌については中世まで見てきた事になるが、ここでもう一度、中世に入るところに位置する和歌文学の...
『今昔物語集』を読む3 今回は『今昔物語集』について、第3弾。いよいよ本朝世俗部について。 ここはこれまで多くの人たちが取り上げてきた部分だ。有名なのは芥川龍之介。幾つかこの部分を題材に小説を書いている。いわば文壇デビュ...
『今昔物語集』を読む2 今回は『今昔物語集』のうちの天竺部と震旦部および本朝部の仏法部分から話を紹介する。 天竺部は釈迦の来歴を語った部分がほとんどだ。そのうち釈迦の入滅すなわち臨終の話が興味深い。 巻第三第三十話 「仏...
『今昔物語集』を読む1 『今昔物語集』は源氏物語ほどではないが、それなりに人口に膾炙した古典と言える。ただ、それは後半の日本の説話についてだ。近代の作家、特に芥川龍之介の作品、およびそれに基づいた黒澤明の映画作品の題材に...
『江談抄』を読む ここでもまた漢文が登場する。 『江談抄』は、院政期の説話集とされている変体漢文の書だ。しかしこれは大江匡房という人物が語った話を記録した聞書集で、その内容も漢詩文・公事・音楽など多方面にわたっていて雑然...