『日本古典文学総復習』29 『袋草紙』
『袋草紙』を読む 袋草紙は、平安時代後期に公家で六条家流の歌人であった藤原清輔が著した和歌百科全書というべき歌学書である。上下2巻からなる。内容は、和歌全般にわたっており、勅撰和歌集や歌物語についての考証、歌人に関する伝...
『袋草紙』を読む 袋草紙は、平安時代後期に公家で六条家流の歌人であった藤原清輔が著した和歌百科全書というべき歌学書である。上下2巻からなる。内容は、和歌全般にわたっており、勅撰和歌集や歌物語についての考証、歌人に関する伝...
『平安私家集』を読む 再び仮名文学に戻る。『平安私家集』の巻だ。 これまで歌集は万葉集を始め、古今集から新古今集までの八代集を見てきた。これらの歌集は実は多くの資料から編者が収集・編集したものだが、その資料の中心がいわゆ...
『本朝文粋』を読む 今度は漢詩文集。日本文学において一つのジャンルを成しているのが、漢詩文。ただ、どうもこのジャンルはあまり扱われない。しかし、古くは漢詩文は教養人の必須科目であった。日本は大陸すなわち中国の圧倒的な文化...
今度は平安後期の物語2編。『堤中納言物語』と『とりかへばや物語』だ。 『堤中納言物語』を読む 「虫めづる姫君」で有名な平安後期に成立したと思われる短編物語集。10編の短編物語と断片がある。いずれもごく短い話だが、それぞれ...
紫式部日記について 前の巻にあったが、紫式部日記をここで枕草子とともに取り上げる。まずは有名な枕草子の作者清少納言についての紫式部の辛口評価。紫式部日記にある。 本文 清少納言こそ、したり顔にいみじうはべりける人。さば...
源氏物語の後は平安女流日記が控えている。ただし土佐日記は男の手になるが。そしてこれも日記の範疇に入れていい枕草子だ。この2巻を読むことにする。 さて、日記が文学の範疇に入るのは日本においてだけだろうか。ドナルドキーン氏は...
『源氏物語』を読む4 この物語、第2部(第3部というか)、源氏が死んだ以後の物語は大分様相が違う。舞台も都から離れた宇治を中心に展開する点も華やかさから程遠いものとなっている。 主人公の源氏の遺児薫大将と言う人物も初めか...
『源氏物語』を読む3 この物語は一般に、非の打ち所がない主人公光源氏が多くの美しい女性たちと繰り広げる恋愛絵巻として見られていると思う。 しかし、前回見たようにその骨格には成就しない男女の三角関係が描かれている。義母との...
『源氏物語』を読む2 今回は原文と与謝野晶子氏の訳文を引いて『源氏物語』で重要な部分を見てみる。 まず、源氏が義母である藤壺の宮と密会する場面である。 本文「若紫」から(本文は大系の本文を筆者が電子化したもの。以下同) ...
『源氏物語』を読む1 また大部の作品が現れる。『源氏物語』だ。5巻構成。しかし前の『續日本紀』とは違ってこれまで相当つまみ食いはしてある。しかも与謝野晶子氏による現代語訳をKindleで読んでいる。こうなれば何事か書けそ...