『日本古典文学総復習』56『梁塵秘抄・閑吟集・狂言歌謡』
日本文学には和歌とは若干の違いを持つ「歌謡」というジャンルがある。古くは「記紀歌謡」と呼ばれる「古事記」や「日本書紀」に引かれているものがある。新しくは「歌謡曲」ということになろうか。ただ、この「歌謡」はこれまで和歌ほど...
日本文学には和歌とは若干の違いを持つ「歌謡」というジャンルがある。古くは「記紀歌謡」と呼ばれる「古事記」や「日本書紀」に引かれているものがある。新しくは「歌謡曲」ということになろうか。ただ、この「歌謡」はこれまで和歌ほど...
『源氏物語』で達成を見た物語文学はその後どういう経緯をたどって現代に至ったのだろうか?ここで取り上げる室町時代物語集はそんな疑問の一つの解答のきっかけを示しているように思う。ここに集められた20編あまりの物語は様々な内容...
私はキリスト教徒ではない。宗教とは無縁の人間だ。「無縁」というのは正しくないかもしれない。正月には地元の神社に初詣に行き、父母の葬儀は仏教で行った。確か結婚式はキリスト教式だった。ようするに宗教に対して「いい加減な」人間...
ここのところこの日本古典文学総復習も50巻を超えて滞ってしまった。これは夏ということもあって出かける機会が多いことと、何しろ暑いということも原因している。しかし、扱う書物が難解なことも大きな原因だ。今回も初めて聞く書名の...
『庭訓往来』を読む 『庭訓往来』という書名は以前から知ってはいた。しかし、その中身は全く知らなかった。多分辞書のようなものだぐらいの知識しかなかった。今回初めてその書を紐解いてみた。果たしこの書はなんと名付けたらいいのだ...
『中世日記紀行集』を読む 高倉院厳島御幸記・高倉院升遐記・海道記・東関紀行・うたたね・十六夜日記・中務内侍日記・竹むきが記・都のつと・小島のくちずさみ・藤河の記・筑紫道記・北国紀行・宗祇終焉記・佐野のわたり 以上15編を...
『とはずがたり』を読む 『とはずがたり』は面白い古典だ。発見されたのが昭和に入ってからという新しい?古典だというのもいわく付きだ。宮内庁書陵部所蔵の桂宮家蔵書にあったという。昭和15年に国文学者山岸徳平によって発見された...
『竹林抄』を読む 中世に入って和歌文学に大きな変動が起きる。それは連歌がその中心となる変動だ。和歌文学は古今集以来短歌を中心に発展してきた。しかし、その発展はあまりに技巧的にまた理論的になっていった結果、その文学的生命を...
『五山文学集』を読む 日本古典文学史において、いわば忘れ去られた存在に漢詩文がある。この大系でもようやくここに漢詩集が現れる。この巻に収められているのは鎌倉から室町にかけて作られた禅宗の僧による漢詩だ。禅宗はこの時期の国...