Kindle paperwhite 初期化

久しぶりの投稿です。
ここのところ自宅に居て、というより居ざるを得なくていろいろとIT関係のことをやってました。
そこでこれまでやってきたことを書き留めておこうと思い立った次第です。

その第一弾。
Kindle paperwhite の初期化です。

ここのところもっぱら読書はこのKindle paperwhiteを使っています。今は坂口安吾全集読破に取り組んでいます。
これがなかなか進まないんですが、しばらく前にこのKindleが再起動を繰り返すという症状に陥り、いよいよだめかと思い、iPad mini を使って読んでいました。ところがやはり専用のバックライトつきの白黒ディスプレーにはかないません。
じゃ買うかと思ったんですが、一応修理ができるかとも思い、いろいろと調べました。
アマゾンで買ったんですが、履歴をみるとなんと2012年に買っています。8年たっていたわけです。実はかみさんも使っていてそちらはなんと3台目です。不具合があっての買い替えでしたが、その不具合はハード的なものでした。充電ができないという症状でした。
しかし、今回のはどうもソフトウエア上のトラブルのようです。こういうときは初期化ですね。しかし、再起動を繰り返しているので、初期化の画面にいけません。
さあ、どうするか。いろいろググリましたよ。
同じ人がいるもんですね。ブログに書いてありました。

いわく「パソコンに接続せよ」と。

そうか!usbで接続して、その上で再起動を試みました。2度目の再起動で画面が変わりました。メニューにいけました。そこで初期化できたわけです。以下の手順です。

1.画面右上のハンバーガーメニューをタップ
2.設定をタップ
3.もう一度ハンバーガーメニューをタップ
4.「端末のリセット」をタップ

こうすれば初期化できます。売却や譲渡の時は必ずやりますが、そうでなくてもこのリセットは必要ですね。また新しくなった感じです。

さて、後は最初の設定をすればいいし、コンテンツもアマゾンのクラウドにあるわけだからダウンするだけ。しかも読みさしの坂口安吾全集ちょうどiPad miniで読み終わっているところが表示されました。

やれやれ。それにしても物持ちがいいでしょ。

MacでWordPressをローカル開発(追加事項・訂正)2

実は前に書いたapacheとproftpdのユーザーの変更が思わぬ副作用をもたらした。
この以後久しぶりにphpmyadminにアクセスすると以下のエラーが出て、開けない。

Error during session start; please check your PHP and/or webserver log file and configure your PHP installation properly. Also ensure that cookies are enabled in your browser.

session_start(): open(SESSION_FILE, O_RDWR) failed: Permission denied (13)

session_start(): Failed to read session data: files (path: /Applications/XAMPP/xamppfiles/temp/)

要するにパーミッションエラーで書き込めないということらしい。
そこで
/Applications/XAMPP/xamppfiles/temp/
に端末ユーザーを登録して、書き込み権限を与えた。

これで大丈夫。

MacでWordPressをローカル開発2ローカルアドレスの件

ローカル開発中のWordPressを同じネットワーク上にある他のデバイスで表示させると文字列しか出ないという問題がある。
ローカルでweb開発する時、開発しているデバイスだけでなく、例えば自前のスマホやパッドで開発中のコンテンツを見ることができる。
同じネットワーク上にあればの話だが、ローカルのIPアドレスがわかれば、そこに自前のスマホやパッドでアクセスすれば言い訳だ。これはレスポンシブの設定を見るのに便利だ。
ところがWordPressではcssが効かず、そればかりか画像が表示されない、という問題がある。これはWordPressの仕組みによっている。
ではどうしたら良いか?
開発中のWordPressで以下の設定をすれば、一応解決する。

ダッシュボード > 設定 > 一般 で
WordPress アドレス(URL) http://localhost/wordpress
サイトアドレス(URL) http://localhost/wordpress
のlocalhostの部分をローカルアドレスに変えて「変更を保存」する。

こうすればしっかりcssも効くし、画像も表示できる。

しかし、これには大きな問題がある。ローカルアドレスが変わった場合、開発中のWordPressにも全くアクセスできなくなってしまうことだ。
普通ローカルアドレスはDHCPによって振り分けられている場合がほとんどだからだ。
ということは固定アドレスにすれば良いということになる。いつも同じネットワーク上であれば問題がない。
しかし、いろいろなネットワークで開発をするとなるとこれも問題だ。
結論的にはスマホやパッドで確認するときのみ上記の設定をして、終了したら戻しておくというのが現実的かもしれない。

MacでWordPressをローカル開発(追加事項・訂正)

プラグインの新規追加ができない

このままの設定だと「プラグインの新規追加ができない」という現象が起きます。
追加をするとFTPサーバーのログインを促されます。そこで以下の設定が必要になるようです。
と言うことで以下を書いたが、

wp-config.phpに
define(’FS_METHOD’,’direct’);
を追加します。
ただ、これだけだとフォルダーが開けないと言われるので
wp-contentのフォルダーおよびその下にあるフォルダーの権限を書き換える必要があります。
ターミナルでコマンドを打ってもいいのですが、
ここはわかりやすくFINDERで行いました。
これで何とかなります。
実はこの設定の後も「ファイルのコピーができない」というエラーが表示されましたが、
新しいプラグインは導入されていました。
理由はわかりません。しかし使えているのでOKとしておきます。

もっと正しい方法がありました。
http://tapioca-hiroyuki.net/blog/daemon0718.html
の記事です。

XAMPPで構築したWordPress管理画面でプラグインがインストールできない
Tapioca | 2016年07月18日BlogXAMPPで構築したWordPress管理画面でプラグインやテーマがインストールできない問題について説明します。
元の記事:XAMPPでMacのローカルにWordPress用テスト環境を作る
WordPressプラグインがインストールできない症状
WordPressのプラグインをインストールしようとすると、FTPサーバへの接続情報を要求されます。 FTPに接続 正しい情報を入力したにもかかわらず、/wp-contents/ディレクトリが見つからないと言われ、インストールができなくなります。 プラグインインストール失敗
原因
//wp-contents/ディレクトリの所有者が端末の所有者になっているのに、ProFTPD、Apache実行時のユーザがdaemonになっている。そのため、daemonに書き込み権限がなく、フォルダやファイルを作成できない。
対策
ApacheおよびProFTPDのユーザを、端末の所有者・グループと一致させる。
Apacheのユーザを端末の所有者に変える
Apacheの設定は、 /Applications/XAMPP/xamppfiles/etc/httpd.conf (164行目)に記載があります。

#
# If you wish httpd to run as a different user or group, you must run
# httpd as root initially and it will switch.
#
# User/Group: The name (or #number) of the user/group to run httpd as.
# It is usually good practice to create a dedicated user and group for
# running httpd, as with most system services.
#
User daemon
Group daemon

これを、
User <端末所有者の名前>
Group staff

に変更します。 staffというのは、所有者が所属するグループです。ターミナルで、ls -lを実行すると、ファイルの所有者と所属するグループが表示されます。 ディレクトリ一覧
ProFTPDのユーザ設定も端末所有者に変える
WordPressのプラグイン・テーマインストール時に、ローカルのFTPサーバにアクセスします。 自分のコンピュータにFTPでアクセスするのも変な話ですが。 /Applications/XAMPP/xamppfiles/etc/proftpd.conf (24行目)
# Set the user and group that the server normally runs at.
User daemon
Group daemon
これを
# Set the user and group that the server normally runs at.
User <端末所有者の名前>
Group staff
に、変更します。
ProFTPDを再起動する
最後にXAMPPの起動画面からProFTPDを再起動し、もう一度プラグインのダウンロードを試みてください。 XAMPPの起動画面 FTPサーバの情報を入力することなく、無事プラグインがインストールできました。 プラグインインストール成功

これを実行し問題なくなりました。
もし前に発表した記事を読んで実行した人は訂正してください。
wp-config.phpの
define(’FS_METHOD’,’direct’);
の部分をコメントアウトするか、削除し
フォルダーのパーミッションを元に戻します。

MacでWordPressをローカル開発

Xampp for Mac の導入

DL

sourceforgeのサイトで
「XAMPP Mac OS X」 「7.3.4」「xampp-osx-7.3.4-0-installer.dmg」と辿ってダウンロード

Install

XAMPPアプリケーションを実行

Manege Server から Start All

データベースの設定

http://localhost/phpmyadmin/にアクセス

パスワードの設定

ユーザーアカウント
root localhost ……… [特権を編集]をクリック
上部にある「パスワードを変更する」をクリック
2度書いたら右の「実行」をクリック
(この情報は必ずメモしておくこと)
再度
http://localhost/phpmyadmin/ にアクセス
エラーがでたら、(必ず出るはず)
一旦Xamppアプリケーションで
Manege Server から Stop Allでサーバーを止めて
テキストエディターで config.inc.phpを開き、
Macでは/Applications/XAPMPP/xamppfiles/phpmyadmin/にある
しかも読み出し専用になっているので、一旦読み書きできるようにして編集し、保存したらもう一度読出し専用に戻す必要がある。
(これを行うにはファイルで右クリックして「情報を見る」を選択、FINDERで表示させて、
その最下部の鍵マークをクリックして解除してから、読み書きできるようにしたり、読出し専用にしたりする。終わったら鍵をかけておく。)
以下のように編集する。

/* Authentication type and info */
$cfg[‘Servers’][$i][‘auth_type’] = ‘cookie’;
$cfg[‘Servers’][$i][‘user’] = ”;
$cfg[‘Servers’][$i][‘password’] = ‘設定したパスワード’;
$cfg[‘Servers’][$i][‘extension’] = ‘mysqli’;
$cfg[‘Servers’][$i][‘AllowNoPassword’] = true;
$cfg[‘Lang’] = ”;

保存ができたら再度
Xamppアプリケーションで
Manege Server から Start Allでサーバーを動かし
http://localhost/phpmyadmin/ にアクセスする。パスワードを聞いてくるはず。
パスワードを入れてログインできることを確認する。確認できたら一旦ブラウザを閉じる。

その他の設定(php.ini)

再度Xamppアプリケーションで
Manege Server から Stop Allでサーバーを止めて
テキストエディターで php.iniを開き、
Macでは/Applications/XAPMPP/etc/にある
(前と同じ操作が必要)

時計合わせ

「date.timezone=Europe/Berlin」

「date.timezone=Asia/Tokyo」
に変更。

mbstringの有効化

「mbstring.language = Japanese」の先頭の「;」を削除
「mbstring.internal_encoding =」の続きに「UTF-8」を指定。こちらも先頭の「;」を削除。

編集出来たら、上書き保存。

これでXampp環境の構築はできた。

WordPressの導入

WordPressのダウンロード

WordPress の日本語公式サイトにアクセスし、
「WordPress5.3をダウンロード」をクリック

WordPressのインストール

wordpress-5.3-ja.zipを展開
展開してできたwordpressというフォルダをxamppの中のhtdocsにコピーする。
Macでは/Applications/XAPMPP/xamppfiles/にある

データベースの作成

Xamppアプリケーションで
Manege Server から Start Allでサーバーを動かし
http://localhost/phpmyadmin/ にアクセスする。
「データベース」タブをクリック
任意のデータベース名を入力して、「作成」をクリック
データベース名はわかりやすい任意の英数字を入力しよう。ここでは「wp-01」というデータベースを作成
照合順序は、「utf8_general_ci」を選択
そのままにして

WordPressの初期設定

wp-config.phpを編集

コピーしたwordpressのフォルダ内のwp-config-sample.phpを探し
これを一旦コピーし、コピーしたものをwp-config.phpにリネームする。
エディタで開き、以下を編集

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
/** WordPress のためのデータベース名 */
define( ‘DB_NAME’, ‘wp-01’ );

/** MySQL データベースのユーザー名 */
define( ‘DB_USER’, ‘root’ );

/** MySQL データベースのパスワード */
define( ‘DB_PASSWORD’, ‘決めたパスワード’ );

/** MySQL のホスト名 */
define( ‘DB_HOST’, ‘localhost’ );

/** データベースのテーブルを作成する際のデータベースの文字セット */
define( ‘DB_CHARSET’, ‘utf8mb4’ );

/** データベースの照合順序 (ほとんどの場合変更する必要はありません) */
define( ‘DB_COLLATE’, ” );

* 認証用ユニークキー

(https://api.wordpress.org/secret-key/1.1/salt/
にアクセスして表示された文字列をコピーして)

* @since 2.6.0
*/
(この下の同様な文字列に上書き貼り付けする)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上書き保存する。
http://localhost/wordpress/ にアクセスする。

サイト名などの設定

サイト名、ユーザー名、パスワードを決め、入力する。

ログイン画面からログインする。

あとはWordpressの世界

2019.12.12

MacBookAirの初期化

そのきっかけ

MacOSのバージョンアップ

実はこのパソコン、OSのバージョンアップはこれまで何にもしていなかった。OS X 10.10 Yosemiteを使い続けていた。
これは小生の考え方で、安定して使っているなら何も変える必要はないはずだ、ということだ。
しかし、セキュリティサポートが2年前に終了しているということに気づいてしまった。そこでこの際UPすることにした。
一気に5代超えの最新macOS 10.15 Catalinaという選択肢もあったが、まだ安定していないと判断して、一代前のmacOS 10.14 Mojaveにした。
これは時間がかかったが問題なく終了した。

ローカル開発環境の不具合

だが、これは薄々聞いていたことだが、このバージョンアップがWordpressのローカル開発に不具合を起こしてしまった。
ずいぶん前にWordpressのローカル開発環境を構築していた。久しぶりに行う機会があってやれるようにしたのだが、これがうまくいかなくなった。
いろいろと試みたがうまくいかない。

ハードデスクの整理

そこでこれまでこのMacBookAirでやってきたことを振り返ってみた。
実に様々な設定をし、いろいろと試行錯誤してきた。
例えば、Bootchampを使って、WINを動かしたり、
VirtualBoxを使ってLinuxを動かし、ローカル開発環境を作ってみたり。
しかし、このMacBookAirのHDDは128Gしかない!
こうなったら「真っ新」にするしかない!ということとなった。
(これも小生の考え方である程度使ったPCは真っ新にするに越したことはない。できれば毎年暮れにやれるといい。)

初期化の実際

Backupの実施

初期化にあたり、バックアップが必要とある。初期化なんだからいらないでしょとも思えるが、万が一それに失敗した場合に備えるわけだ。
ただ、実はOSをバージョンアップした時に実施している。
外付けの500GのHDDがあったので、これをMacBookAirに繋いで、TimeMachineといアプリで行なっている。
多少妙な感じのアプリだが、一応バックアップはできている。

必要ファイルの退避

バックアップはしてあるが、ここから個々のファイルは取り出せない。そこで残しておきたいファイルはクラウドに退避する。
実はこのMacbookAirにあまりファイルを保存していないから、簡単に済む。

クラウドサービスの一旦停止

さて、その上でDropBoxの同期設定を解除する。
クラウドサービスはほとんどがDropBoxなのでこれですむ。

Command + Rの実行

MacBookAirを再起動して、リンゴマークが出るまで、Command + Rを押し続ける。
するとmacOSユーティリティが現れる。

HDDの初期化

そこでディスクユーティリティを選択し、macHDDを選択して、上部のメニューから「初期化」を選択し、実行する。

OS(Mojave)の導入

次はこのmacOSユーティリティで、macOSの再インストールを選択する。ここはMojaveになっていた。
これが終了すれば、初期状態になる。いやいやあ時間かかった。(ネットに接続が必要だから明け方やったほうがいいかも。)
ここまでやれば、人に渡したり、売ったりできます。

初期設定

こうなれば、購入して初めてやったことをすることに。

スマホ役立つ

ただし、AppleIDは既に登録済みだし、Macのスマホやパッドを使っていれば、難なくできる。

初期化後

GoogleChromeの導入

まずはこれ。Googleを基本にいろいろとやっているので。

Dropboxの設定

データがほとんどここにあるので、まずは動いてくれないと。
ただ、こいつが結構大変。どうもDropboxは最近無料版から有料に誘う仕掛けが多すぎて気を付けないといけない。
小生は随分と以前から使用していて多くの人に紹介してきたのでそれなりの領域を持っている。
しかも、画像や動画はほとんど保存していないから、(これは別のクラウドを利用している)十分だ。
しかし、最近使えるディバイスが3台までとなったために、いわばこのMacBookAirが新しくなったためにそこをきちんとしなくてはダメだ。
要するに記録にディバイスをこのMacBookAirを含め3台にしておく。
しかも同期をを選択同期にして、このMacBookAirで使うものだけに限定しておく。
それでもかかったなあ時間が。なんとかできる。

Bracketsの導入

MacBookAirの仕事はほとんどがWEB開発。html,css,javascriptの編集には欠かせないエディタだ。
しかし、これをネットで検索して導入したのがよくなかった。バージョンが古くて二度やる羽目になった。
これは最初から「brackets.io」というサイトに行って導入するべきだ。

Xamppの導入

さて、ここが今回の肝だ。
というのは、Wordpressのローカル開発環境をどうするか、このOS上でうまくいか、これが問題だった。
結論的にはXamppパッケージを導入することにした。
これについては「Macにxamppをインストール」というQiitaの記事が大いに参考になった。
こうした記事はいろいろあってどれも参考になるが、大事なのは自分が求めていることにマッチしているか、古くはないかということだ。
この記事は「2019年05月04日に投稿」とあり、環境に「macOS Mojave (10.14.4)」とあった。
導入そのものは直ぐにうまくいった。テストも行なった。(しかしWordpressについてはこれからだ。後日報告する。)

MSOfficeの導入

さてこれでほとんど使える状態になったが、時々Officeを使う必要が生じるので、前にもいれていた「MSOffice2016forMac」を導入した。
ただ、これも来年中にはサポートが終了するらしい。
ただ、ほとんどが与えられた文書等を読むためだけだから入れとく。
CDに焼いてあるので、外付けドライブを接続して導入した。

エディタの導入

実はこの文章エディタで書いている。miというものだ。これも以前から使っているので導入した。
ただ、これはAppStoreにはなく、ネット検索して入れることとなった。

標準アプリについて

あとは購入時には入っている標準アプリが導入されていない。
しかしこれは必要になった時にいつでもAppStoreで導入できるので今は入れないでおく。

まとめ

こうしてまる二日かかってMacbookAirはリニューアルした。
まだまだ、使い続けられそうだ。
最後にバックアップを取った。

2019.12.10

USB環境にWordPressをインストールして使う(改定版)

久しぶりにこの話題が上ったので、やってみたところうまくいかなかった。そこでもう一度イチからやり直すことにした。その顛末。
4年前のファイルで実行してみる。環境はWIN7/64ビット版。
apacheが起動しない。お話にならない。これについていろいろと調べる。結構この症状はあるようでネットに報告されている。そのほとんどがportのバッティングが怪しいということになっていて、Skypeが槍玉にあがっていた。しかし、小生の環境には当てはまらない。
そこでイチからやり直す。

Xampp環境の構築

これがないとWordPressをローカルで開発できない。他でもいいのだが、要するにローカルサーバー環境を作るに手っ取り早いのがこのXamppだ。これでapache、Mysql、PHPを導入してローカルサーバー環境を作るわけだ。しかもUSBに。(あらかじめ空のUSBメモリー(5Gもあれば充分)を用意し、PCに接続してドライブレターを確認しておくとよい。)

Xampp最新版の入手

SOURCEFORGE > XAMPP Windows > 7.3.11 と辿って
xampp-portable-windows-x64-7.3.11-0-VC15.zip
をダウンロード。(いくつかあるが解凍ソフトがいらないzip版がいい)

Xampp最新版をUSBに展開

xampp-portable-windows-x64-7.3.11-0-VC15.zipを右クリックして「展開」を選び。
展開先にUSBのドライブレターを入力し、展開。
(あらかじめ空のUSBメモリーを用意し、PCに接続してドライブレターを確認しておくとよい)

Xampp-control.exeを実行して動作確認

USBの中にあるxamppフォルダ内の
Xampp-control.exeを実行(うるさいことは無視)

Apache Startボタンを押す

エラーが出ないことを確認し、
ブラウザを立ち上げ、http://localhost/ と入力(Apache Adminボタンを押しても同じ)
何かしらの表示が出ればOK。
apacheが動いていて、ローカルWEBサーバーとして機能しているということだ。

MySQL Startボタンを押す

エラーが出ないことを確認し、
ブラウザを立ち上げ、http://localhost/phpmyadmin/ と入力(MySQL Adminボタンを押しても同じ)
サーバ:127.0.0.1が立ち上がっていればOK
MySQLが動いていて、データベースが機能しているということだ。

(ここでトラブル発生。なんとUSBが外れてしまった。これはいけない。もう一度さしなおして同じことをやったがエラーが出て実行できない。これは正式な終了がなかったためである。そこで「タクスマネージャ」を起動して、ApacheとMySQLを終了させなければならない。こうすればもう一度起動できる。これはUSBならではのトラブルなので銘記しておく。)

その他設定

パスワードの設定

http://localhost/phpmyadmin/ で
ユーザーアカウント
root localhost ……… [特権を編集]をクリック
上部にある「パスワードを変更する」をクリック
2度書いたら右の「実行」をクリック
(この情報は必ずメモしておくこと)
再度
http://localhost/phpmyadmin/ にアクセス
エラーがでたら、
テキストエディターで xampp>phpMyAdmin>config.inc.phpを開き、
以下のように編集する。

/* Authentication type and info */
$cfg[‘Servers’][$i][‘auth_type’] = ‘cookie’;
$cfg[‘Servers’][$i][‘user’] = ”;
$cfg[‘Servers’][$i][‘password’] = ‘設定したパスワード’;
$cfg[‘Servers’][$i][‘extension’] = ‘mysqli’;
$cfg[‘Servers’][$i][‘AllowNoPassword’] = true;
$cfg[‘Lang’] = ”;

上書き保存し、
再度
http://localhost/phpmyadmin/ にアクセスする。パスワードを聞いてくるはず。

その他の設定(php.ini)

テキストエディターで xampp>php>php.iniを開き、

時計合わせ

「date.timezone=Europe/Berlin」

「date.timezone=Asia/Tokyo」
に変更。

mbstringの有効化

「mbstring.language = Japanese」の先頭の「;」を削除
「mbstring.internal_encoding =」の続きに「UTF-8」を指定。こちらも先頭の「;」を削除。
編集出来たら、上書き保存。

これでXampp環境の構築はできた。USBがいわばローカルサーバとなった。
あとはWordPressの構築だ。

(ここまで詳細は
https://www.aura-office.co.jp/blog/xampp-portable/と
“https://bazubu.com/xampp-wordpress-23795.html”
を参考にしました。)

WordPressの構築

データベースの作成

http://localhost/phpmyadmin/ にアクセスする。
「データベース」タブをクリック
任意のデータベース名を入力して、「作成」をクリック
データベース名はわかりやすい任意の英数字を入力しよう。ここでは「wp-01」というデータベースを作成
照合順序は、「utf8_general_ci」を選択

WordPressの導入

WordPressのダウンロード

WordPress をダウンロードする
WordPress の日本語公式サイトにアクセスし、右上の「WordPressを入手する」をクリック。
WordPress5.3をダウンロードをクリック

WordPressのインストール

wordpress-5.3-ja.zipを展開
展開してできたwordpressというフォルダをxamppの中のhtdocsにコピーする。

WordPressの初期設定

http://localhost/wordpress/ にアクセスする。
次の画面に移ったら「さあ、始めましょう!」をクリックしよう。

データベース名「wp-01」
ユーザー名 root
パスワード、セキュリティで設定を行った phpMyAdmin にログインするパスワードを入力
ホスト名は、「localhost」
テーブル接頭辞 デフォルトの「wp_」のまま

入力が完了したら「送信」をクリック
続いて次の画面が表示されたら「インストール実行」をクリックする。

WordPressサイトの設定

サイト名 任意ブログサイトの名前になる
ユーザー名 管理画面の管理者の名前
パスワード そのパスワード
メールアドレス サイト管理者のメルアド
プライバシー チェックをはずすとよい

(この情報は必ずメモしておくこと)

入力が完了したら「WordPress をインストール」をクリックする。
「成功しました!」と画面が表示されたら「ログイン」できるか確認する。
先ほど入力した情報を入れて「ログイン」をクリックする。
ワードプレスの管理画面が登場するはず。これからはワードプレスの世界

これからこの環境でWordPressを開発する手順

  1. USBをPCに指す
  2. USB:xampp/xampp-control.exeを実行
  3. apache,Mysqlをスタート
  4. ブラウザでhttp://localhost/wordpress/にアクセス
  5. WordPressのユーザー名パスワードを入力してログイン
  6. ワードプレスの管理画面で種々の設定をする
  7. 記事を書いたりする
  8. 終了するにはまずログアウトする
  9. apache,Mysqlをストップする
  10. xampp-control.exeを終了quitする
  11. USBを安全にはずす

こうしたことを繰り返してwordpressを勉強してください。

以上

phpMyAdminのパスの再設定

実は久しぶりにローカルでのwordpress開発が話題になって、そういえばこのMacでもやったなと思い出した。
どうやって設定したのか記録がないし、はっきりした記憶もない。
そこで環境ができているか試してみることにした。
まずはApacheが動いているかどうかだ。
ブラウザで
http://localhost/
とやってみる。すると
It works!
と表示が出た。
これでApacheはうごいていて、いわばローカルWebサーバーは機能している。
次にMysqlが動くかどうかだ。
これはターミナルでコマンドするしかない。
$ mysql.server start
とする。すると
Starting MySQL
SUCCESS!
と出た。
あとはPHPだけれど、これはもう大丈夫だろう。
確かwordpressをこの名前のdirectoryにインストールしたはずから
ブラウザで
http://localhost/wordpress/
やってみる。出ました。開発中のサイトが。
こんどはログイン
ユーザー名とパスを入力。なんとこれは一発で正解。覚えていました。
これで再びローカルでのワードプレス開発ができるわけです。

さて、ここでデータベースのメンテナンスをやることがあろうかと思い、そういえばphpMyAdminなるツールがあるなと思い出し、
http://localhost/phpmyadmin/
でアクセス。出ましたが、パスが通らない!何を設定したのか。これはやばいということで再設定をすることに。
やっと本題。いろいろとググってみたが、以下のサイトが一番参考となった。
https://liginc.co.jp/web/programming/mysql/87393
曰く「MySQLでrootパスワードを忘れた場合の対処方法」
「サーバの環境はCentOS、MySQL上での説明になります。」とあるので適宜自分の環境に合わせて変更するが以下でできた。

起動しているMySQLを停止
$ mysql.server stop

MySQLをセーフモードで起動
$ mysqld_safe –skip-grant-tables &

MySQLへrootでログイン
$ mysql -u root

rootのパスワードのリセット
無事にMySQLへログインできたら、下記のクエリーでrootパスワードを再設定。

mysql> use mysql;
mysql> update user set password=PASSWORD(“ここにパスワードを記述”) where User=’root’;
mysql> flush privileges;

ここで、「Query OK」と表示されれば完了。

パスワードのリセットが完了したので、下記コマンドでMySQLからログアウト。
mysql> quit

セーフモードのMySQLを停止
最後に、セーフモードで起動しているMySQLを一度停止させ、下記コマンドで通常モードで再起動。
$ mysql.server stop
$ mysql.server start

以上で、作業は終わり。再度rootでログインできるかどうかを試す。できました。ほんとパスは忘れないようにしないとね。

2019.11.07

青空文庫をKindleで読むには(Mac編)

最近はもっぱらkindle paperwhiteで読書している。
従って書籍はAmazonで購入することになる。購入といっても著作権が切れたものはほとんど無料だ。
ただ、著作権が切れた小説などがすべてAmazonに置いてある訳ではない。
今回久しぶりにある批評(吉本隆明『老いの流儀』)を読みかえしていたら、以下の小説について触れていたのを改めて気付いて、読んでみたくなった。

室生犀星「われはうたえどやぶれかぶれ」
谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」
川端康成「眠れる美女」

川端康成以外は死後50年以上経っているはずだから著作権が切れている。
早速「Amazon 青空文庫」で検索してみる。
Amazonでは青空文庫の幾つかの作品をKindleで読めるようにしてくれているからだ。ここで手に入れるのが最も簡便だ。
谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」はあった。早速購入する。と言っても無料だ。
しかし、室生犀星「われはうたえどやぶれかぶれ」はなかった。他の作品は多くあるのだが、この作品はない。
ただ、青空文庫にはある。そこで自力でKindleで読めるようにするしかない。
実は嘗てやったことはあった。windows上でだ。しかし忘れてしまった。そこで今度はMac上でやってみることにした。
これが実に大変だった。ネットで情報を得たのだが、しっかり丁寧な情報がない。やり方ではなく、基本理解が必要なことを改めて考えさせられた。
そこで忘れないように書き残しておく。

青空文庫のデータをKindleで読むための方法

基本理解

Kindleのファイル形式はmobiというものだ。しかし一般的に電子ブックの形式はepubだ。
そして青空文庫は基本的にテキスト形式で提供されている。従って以下のようなプロセスが必要になる。
青空文庫形式 → 電子ブック形式 → Kindle形式
それにはそれぞれツールが必要だ。
青空文庫形式 → 電子ブック形式 にはAozoraEpub3というツールがある。
電子ブック形式 → Kindle形式 にはkindlegenというツールがある。
そしてAozoraEpub3はjavaのアプレットなのだ。したがってjavaのJDKが必要になる。
以上がわかっていないと混乱する。
Macでこれを実行するためにはまずjavaのJDKを導入する必要がある。以下手順を書く。

ツールの導入

1 javaのJDKを導入

https://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html
から以下のダンロードページに行き
https://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/jdk13-downloads-5672538.html
そこで
Accept License Agreement
にチェックを入れて
jdk-13_osx-x64_bin.dmg
をダウンロードする。
できたらすぐにインストールしておく。

2 AozoraEpub3 の導入

http://www18.atwiki.jp/hmdev/pages/21.html に行き、
AozoraEpub3-1.1.0b46.zip をダウンロードする。
このファイルを展開する。

3 Kindlegen の導入

https://www.amazon.com/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=1000765211 に行くこと。
(https://kdp.amazon.co.jp/self-publishing/help?topicId=A3IWA2TQYMZ5J6 に行けと古い記事にはあるが、ここでは手に入らなくなっている。)
英語だが、ここでMac用をダンロードする。
KindleGen_Mac_i386_v2_9.zip
このファイルを展開する。
展開したフォルダの中にあるkindlegenというファイルのみコピーし、AozoraEpub3を展開したフォルダにペーストしておく。

青空文庫からKindleへ

1 まずは青空文庫から変換する作品をダンロードする。

たとえば
https://www.aozora.gr.jp/cards/001579/card53505.html からテキストファイル
53505_ruby_67408.zip
をダウンロードしておく。

2 AozoraEpub3を起動

AozoraEpub3.jar をダブルクリックする。
まず右上の端末設定でKindle PW を選択しておく。
その他の設定はとりあえずそのままで。

3 青空文庫ファイルをAozoraEpub3にドロップ

変換確認の画面が現れるので、問題なければ変換のテェックをクリック
これで出来上がり。

4 KindleをUSBでPCに接続してコピー

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以上

2019.10.02

『日本古典文学総復習』100『江戸繁晶記・柳橋新誌』

また一ヶ月を要してしまった。この「新日本古典文学大系」(全100巻)使った『日本古典文学総復習』も最終巻を迎えた。二年半を超えてなんとかたどり着いた。最終巻は『江戸繁晶記・柳橋新誌』である。最終巻にふさわしい内容といえる。というのはこの成島柳北の「柳橋新誌」は江戸から明治に亘って書かれた作品だからだ。近代文学への橋渡しといったところだろう。(この「柳橋新誌」について、かつて三回に亘ってこのブログに書いている。ただ、初編すなわち幕末に書かれた部分についてだけだった。まずはそれを見て欲しい。)永井荷風の考証によれば、初篇が書かれたのは安政六年であり、二篇は明治四年に書かれたという。出版はいずれも明治七年のことだが、二つを読むと江戸から明治に変わった当時の江戸の様子が(と言っても柳橋という限定された場所だが)成島柳北の目を通してわかるからだ。さて、その「柳橋新誌」の前に「江戸繁晶記」を見ておくことにする。

「江戸繁晶記」

成島柳北は「柳橋新誌」初編の序の冒頭でこの書を取り上げ、次の様に書いている。

往日、静軒居士なる者あり。江戸繁晶記を著はす。備さに八百八街の景状を模し、勝場劇区、載せざる所なく、説かざる所なし。其の文極めて諧謔にして、其の事は則ち明詳。読む者をして、臥して其の地のある所を知らしむ。

しかし、それから二十年経っているので、今度は自分が一箇所だけだが江戸の風俗を書いてみると言っている。

それはここではともかく、「江戸繁晶記」の注目すべきはその網羅性である。「勝場劇区、載せざる所なく、説かざる所なし」と言う様に実に五編に亘って五十以上の事柄や場所を描いている。当時にあっては完全な江戸ガイドブックという趣である。これを見ると江戸がいかに膨大な都市であったかがわかる。それは繁華地の多さだけではない。職業や風俗の多様さにも伺える。今となってはこの書は当時の風俗を知る資料ということになるが、当時にあっては完全な江戸案内書であったはずだ。江戸に来る者たちにとって便利な書であったと思う。当時江戸は参勤交代の制度ばかりでなく、商工業の発展から地方からの人口の流入が続いていたと言える。現在も東京が「一極集中」と言われるが、それと同様な現象があったに違いない。この書はその後も繰り返し刷られたようだが、この人口流入は明治になってからも続き、形を変えてこの江戸ガイドブックは東京ガイドブックとして出版され続けたようだ。(例えば服部撫松の「東京新繁昌記」)

ただ、この書の読者は一定の教養がある者に限られているはずだ。なぜなら崩しとは言え漢文で書かれているからだ。「柳橋新誌」もそうだが、冒頭の画像でわかる様に訓点はあるものの完全な漢文である(もちろん大系は書き下し文に成っているが)。ここにも注目したい。すなわちこの書の書き手は儒者である。作者は「静軒居士」とある。寺門弥五左衛門静軒という人物。しかし儒者といっても仕官できず、特に儒学の業績もなく、いわゆる「江戸浪人儒者」の一人である。その出自も水戸藩の武家の出とは言え妾腹の次男で不遇であった。私塾を開き口を糊していたのは当時の「江戸浪人儒者」の生活パターンだが、この書のヒットで生活はかなり潤ったかもしれない。しかし、この書が当局のお咎めを受ける事となる。晩年は江戸を離れざるを得ず、不遇の死を地方の友人宅で迎えることとなったようだ。この辺りは成島柳北とはある意味対照的だが、幕末期の儒学者たちの置かれた状況がわかる気がする。

儒学はいわば当時の体制の学問である。と同時に教養人に共通の学問・知識でもあった。その体制の学問の中にいて、時代はそれをはみ出るように促したと言えるのかもしれない。漢文という古い言葉で新しい風俗を描くという矛盾がある面白さを生んだといっていいかもしれない。頑迷な儒者も多くいたにちがいない。しかし、多くの儒者の中にあって、多感な者や、不遇の者たちが、新しい時代の風俗から独特な表現を得たような気がする。それが多くの教養人に受け入れられたのだと思う。この漢文戯作体という形は明治になってからもしばらくは受け入れられたが、教養の基礎が変化すると供にやがて滅んでいくことになるのだが。

最後に「品川」(第五編)を描いた冒頭の部分を引用しておく。私からすると崩した漢文には思えないが。

品川は江戸の咽喉なり。天下第一の巨港たり。東海五十三駅の初程たり。繁会知るべし。御殿山の桜、春にして遊人湧くが如く、海晏寺の楓、秋にして遊客織るが如し。泉岳寺の香火、四時風薫し。牛坊の車輪、早晩塵起こる。如来寺の高敝、眺望魂飛び、東海寺の幽𨗉、閑吟神逝く。宿檣森立、江を争つて錨を下し、妓館稠密、岸を奪つて楼を起こす。風欄露簾、又納涼に宜しく、又月を賞するに宜し。云々

行ってみたくなるよねこの文章。この後自らの漢詩を引き、最後には「泉岳寺の香火」から赤穂浪士について批評している。「江戸繁晶記」についてはここまでにしておく。

「柳橋新誌」

この書は前にも触れた様に「初編」と「第二編」からなっている。実は「第三編」のあった様だが、出版禁止の憂き目にあい散逸してしまている。「初編」が江戸末期の柳橋を「第二編」が明治になってからの柳橋を描いている。著者の成島柳北及び「初編」については以下の記事を見ていただきたい。

https://ogu-tec.net/wp/japan_classical_literature/ryuhoku2
https://ogu-tec.net/wp/japan_classical_literature/ryuhoku21
https://ogu-tec.net/wp/japan_classical_literature/ryuhoku3

ここでは「初編」と「第二編」の違いに注目しておきたい。「初編」では柳橋を紹介する姿勢が顕著でそれほど批評性があるわけではないが、「第二編」になると柳橋の変貌ぶりを嘆く言が多くなっている点だ。「初編」では客の生態をそれほど描いていないが、「第二編」では新時代の客たちの生態が眉をひそめる形で多く描かれている。「第二編」は柳橋のガイドブックという性格は全くない。新時代の中心的存在となった薩長を中心とするエリートたちの柳橋での振る舞いをからかう言が多くなって、むしろ懐旧の情のみを語るといったものとなっている。

例えば以下のような部分である。

柳橋に来て議論ばかりしている客をからかった姉さんの話。議論は郡県制度についてだ。姉さんたちは退屈。そこで一人の姉さんが言ったという。

 乙、盃を属して曰く、「公等何ぞ謬れる。夫れ郡県封建の得失は、秦漢以来、先哲論じて残すことなし。今復た何ぞ公等呶々の言を俟たんや。妾聞く、米国に共和の政あり、極めて公、極めて明、極めて正、極めて大、唐虞の治と雖も過ぐる能はずと。公等宜しく古人の糟粕を棄て、両ながら郡県封建の説を廃し、共和の美を徇ふべし。且つ夫れ遊びなる者は、最も共和して楽しむを要す。今、公等既に酒楼に在り。酒肉を置いて食はず、管弦を擲つて奏せず。空論妄言、妾等をして隅に向いて睡りを催さしむ。之を共和して楽しむと謂ふべきか。公等、真に遊びを知らざる者。妾将に大統領と為り、此の衰頽の勢を一振せんとす。請ふ、先づ此の罰盃を吸へ」と。是に於いて二客大いに慚ぢて、両首並肯して、謝して曰く、「謹んで女王陛下の令を奉ぜん」と。

ここに紹介されている酒楼に上がって議論ばかりしている者たちはまだいい方で、やたらと大声で騒いだり、乱暴を働いたりする新時代の客たちが紹介され、それを揶揄しているのが目立つ。要するに第二編は新時代の柳橋の客層の変化を嘆く部分が大半である。ただ、ここではアメリカの共和制の話をとりあげている点が注目されてきた。ここに柳北の開明性と明治政府への批判を読むことはできないことはないが、むしろ柳北の姿勢は「からかい」にあると言っていい。

ともかく、柳北は明治という近代が嫌いなのである。ましてや薩長が代表する田舎侍が大嫌いなのだ。これだけは確かである。

これでやっとこの岩波の「新日本古典文学体系」100冊を読み終わったことになる。次なる日本文学総復習は「明治文学全集」100冊読破が待っているが、その前にこの体系で掲載されていなかった古典を新潮社の「日本古典文学集成」80冊で補いたいと思っている。まだまだ続きます。

2019.08.03

この項了