『日本古典文学総復習』86『浮世風呂・戯場粋言幕の外・大手世界楽屋探』

 今回は式亭三馬だ。式亭三馬はと言えば『浮世風呂』だが、この作品に触れるといろいろと思い出だされることがある。  大学のころ、この作品に接している。確か国語学の演習でテキストとして取り上げられていて、仕方なく読まされた。...

『日本古典文学総復習』84『寝惚先生文集・狂歌才蔵集・四方のあか』

 今回はあまり間をおかずに次に行けた。江戸時代で忘れてはならない人物、大田南畝集である。別名蜀山人、四方赤良で知られる文人の選集だ。大田南畝はこれまでもチラチラとその作品に触れていた。また、永井荷風によってその人柄や作品...

『日本古典文学総復習』82『異素六帖・古今俄選・粋宇瑠璃・田舎芝居』

 また、一ヶ月空いてしまった。江戸文学は半専門なのだが、ここで取り上げられている作品はほとんど初見だ。それだけ時間がかかってしまう。  さて、江戸文学の要素の大きな一つが「笑」である。ここで取り上げる作品群もその範疇に入...

『日本古典文学総復習』81『田舎荘子・当世下手談義・当世穴さがし』

 江戸時代に「談義本」というジャンルがある。これは江戸時代中期の戯作の一種だが、いわゆる滑稽本の先駆をなしたとされている。しかし内容は滑稽本とは異なっている。その祖先は仏教徒による談義にある。すなわち談義僧という仏教徒が...